リブ&リブBlog

シニア(1人暮らし高齢者)と大学生の世代間ホームシェア(異世代同居)を推進します


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世代間同居のシンポジウムに参加しました

3月15日に東京大学で行われた「『ひとつ屋根の下プロジェクト』活動報告会~
新・書生プロジェクト始まる!~」に、石橋代表がパネリストとして参加しました。

「ひとつ屋根の下プロジェクト」は東京大学本郷キャンパス(文京区)付近の商店街を中心とした
NPO法人「街ing本郷」さんが運営されている、文京区のシニアのお宅に区外から通学している学生が同居する企画です。リブ&リブと活動内容が近いことから、これまで一緒にメディアに取り上げていただいたこともあります。

はじめに、東京大学加齢医学講座の小川純人准教授による「シニア世代の健やかなカラダとココロを目指して」と題した基調講演が行われました。
シニアの方は「バスに乗り遅れそうになり、追いつこうとして走ったら転んでしまった」というようなことから引きこもりがちになり、生活に刺激がなくなった結果として鬱や認知症が進んでしまうと言われています。また、引きこもりがちになることで日光を浴びることや身体を動かすことが少なくなり、骨粗鬆症や筋肉の衰えなどにも繋がってしまいます。
シニアと学生の同居は、対人交流による脳の活性化や、一緒に楽しく食事を摂ることで健康寿命を延ばすことに役立ちます。加齢により難しくなる買い物や電球交換などの日常作業のサポートを気軽に頼めるということ、そして、もしも脳卒中などで倒れたときに救急車を呼んでくれる人がいるということはシニアの方が生活する上で非常に心強いという内容でした。

次に、「ひとつ屋根の下プロジェクト」に参加されたシニアの方と学生の方のお話を伺うことができました。
シニアの方の「玄関先に大きな男の子の靴があると、泥棒も入ってこられないと思う。安心だ」というお話、学生の方の「シニアの方と生活リズムが違い、夜中にシャワーを使う音で目が覚めてしまうと言われた。NPOの仲介を通して、お互いに納得できるルールを作った」、「昔の東京ドームの様子などについて教えてもらえて面白かった」というお話が印象的でした。
また、「ひとつ屋根の下プロジェクト」の参加学生は自治体の活動(ゴミの分別やお祭りなど)に積極的に参加し、地域の活性化に貢献しているということも、地域密着型プロジェクトならではの着眼点であると感じました。

最後に、文京区長や東京大学の教授、NPO法人代表を交えたパネルディスカッションが行われました。ホームシェアを「高齢化社会に対処するための生活」と大きく位置付けすぎることなく、飽くまでもシニアと学生それぞれが個人的に楽しみながら生活できるライフスタイルであるというようにミクロな視点から紹介してゆくことが大切であるという結論が出ました。また、共同炊き出しを行う、空き家を集会所として開放するなど同居以外の形でシニアがコミュニティと関わっている自治体があること、地域に若者を居住させるプロジェクトではシニアの方に「この地域に住んで欲しい若者」を選んでもらうマッチング方式が成功していることなど大変興味深いお話も伺う事ができました。

「ひとつ屋根の下プロジェクト」は東京大学の研究室が密接に関わる形で行われていますが、主にシニアと学生が同居することによる効果に注目した活動となっており、参加学生も特に地方から出てきた人というわけではないようです。ボランティアとして地方出身の学生を応援することによって明るい毎日を過ごすことを目指すリブ&リブ、シニアと学生の同居による地域活性化の可能性を研究する「ひとつ屋根の下プロジェクト」。目的は少し異なりますが、多くの方が素敵な住まい方を実現できるようにしたいという願いは同じであると考えます。これからも、それぞれのノウハウを共有しながらともに活動してゆきたいと思います。

(文責: 米田)